朽木事務所

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どんなご用件でしょう? M-さんの思い出

「クチキさん、明日の午後とか何か用事ありますか?」

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面談の約束を取り付ける電話で、M-さんは用件を言う前に必ず:
「xxx日に用事(先約など)はあるか?」
と聞いてくる人だった。

 

ぼくも法務部だったから人から相談を受けるのが大事な業務だったりするので、アポイントメントは先約がない限りほとんど断らないことにしていた。用件次第では先約を取り消すこともあったし。

 

でも、ぼくはいつも思ってたんです。この人はなぜ「xxxの件で話があるんです。明日の午後とか時間取れますか?」と、先に用件を言った上で、ぼくの都合を聞いてこないのだろう、と。

 

だから、時間があるかないかを答える前に「どんなご用件でしょう?」と聞くのだが、「じゃあ、明日の午後イチ、1時に伺います。実はですね....」とM-さんは話を決めてしまうのだ。

 

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M-さんは、営業の仕事を長くやっている人だった。だから相手に「食いつく」ことが身体に染みついているんだろうな、ってぼくは解釈していた。そして「狡猾なアポイントメントの取り方だな。この人はズルい人なんじゃないかな」って思って、いまひとつ信用することができないでいたの。

 

以前ラジオで「英語のワンポイント」みたいなコーナーがあって、「今度の土日、空いてる?」とまず聞くのが日本の文化なんだ、そんな話がされていた。

相手の都合を聞いてから「実は土日にxxxがあって手伝って欲しいんだけど」とこちらの要望を続けるのが「日本語的な文化」であって、日本語を母語とする人なら違和感はない。しかし、そのロジックのままで英語にすると英語を母語とする文化を持つ人には「ズルい質問の仕方」だと思われることがある。

土日に時間があっても「あんたの手伝いはしたくないよ!」って事もあるんだし。

 

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ちょっとびっくりポンヽ(´▽`)/ 

M-さんを「ズルい人」認定したのはちょっと行き過ぎだったかな。でもね、用件は先に言って欲しいな。自分の都合のいい時間を指定する前にさ。

 

© 朽木鴻次郎
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