朽木事務所

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叱るときは、まず褒めてから?

冷静に指導や叱責をするつもりが、「こいつわかってねえな、聞いてねえな!」とだんだん感情がエスカレートすることはよくある。はじめは適切な指導や叱責が、そうしてパワーハラスメントになってしまうんですね。

ぼくは以前、勤務先で「アンガーマネジメント(自分の怒りの感情をうまくコントロールする)」の研修を受けたことがある。なるほど、と思うこともあったし、バカバカしいねえ、と思うこともあった。

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アンガーマネジメント系のある参考書には「いきなり叱ってもダメ。まず褒めてから」というアドバイスがあった。叱るために別室に呼び出したら、まず褒めろ、と。

「いつもしっかりと資料を作り込んでくれているね。すごいね」、とか

「お客様に対する心配りは絶品だね。先日も〇〇社の〇〇さんは君のことを褒めていたよ」とか。

まず、そうしてから「ところでね、先日君の〇〇は〇〇じゃないのかな?」と叱るモードに入るんだって。

これは間違った方法だ。

叱るときにまず褒める。それをしていたら最初に「褒めた」段階で、このオヤジ、文句言ってくるんだな、って、こっちのパターンがわかってしまう。そしてこのオヤジの「褒め」も口だけなんだなって思われるだろう。

褒めると叱るはセットではないのだ。

褒める、っていうのは、「叱る」「叱責する」局面から切り離して、普段、日常から褒めておかないとダメだし、それも、呼吸レベルで褒めること。呼吸レベルで褒めて、感謝すると、不思議なんですけど、本当にすごいな、偉いな、ありがとう、感謝です、って思えるものです。これはもう10年くらい、もっと前だったかな、「夢をかなえるゾウ」(水野敬也 2007)を部下が勧めてきたので読んで、そこに書いてあったこと。ぼくは割と人を褒めたり「ありがとう」を言う方だとは思うけど、この本を読んでから、意識して褒めて感謝するようになった(と思う)。

 

苦手な算数でいい点、例えば95点を取った子供を褒めるときは:
『よくやった、頑張ったな!』
それだけでいいんですよ。『もうちょっとで100点だ、あと5点、次は頑張れ!』
そんな余計なことは要らないの。

 

それでは「叱る」ときは?
その場で叱る。具体的な行為を叱る。できるだけ短く、一回叱る。色々叱る技術はあるが... この記事でぼくが言いたいのは、「叱ると褒める」はセットにしない。

叱るときは叱るだけ。褒めるときは褒めるだけ。

 

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「褒めてから叱る」のか「叱ってから褒める」のか、部下育成法のノウハウみたいなのを散見する。ぼくは、「褒める」ときは褒めるだけ。「叱る」ときは叱るだけ。それがいいと思うけどな。「褒める」局面と「叱る」局面を一緒にしない。

そして大事なのは「褒める」と「感謝」は常日頃のことにする。呼吸レベル。

ほんとそうですよ。(「叱る」を呼吸レベルにするのはあかんです。小言幸兵衛になっちゃうよ。)

 

© 朽木鴻次郎
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