マネジメントの本質
「組織で働く」ことの価値はなんでしょうか? それは一人の力では到底できない大きな仕事、難しい仕事を、組織で立ち向かえばやってのけることができるということです。仕事の進め方を考えるときに、「『やりたいこと、やれること、やるべきこと』を分けて整理して考えるといい」よくそう言われます。
マネジャーはこれに加えて、『組織としてやるべきこと』を意識することが大事です。
マネジャーの仕事とは、組織の中で、自らがマネジメントするチームのメンバーそれぞれの「やりたいこと・やれること・やるべきこと」をしっかりと理解掌握し、一方で、組織としての「やるべきこと」を見据えて、どうしたらチームと組織の全体最適が生まれるのか、それを考えることにあります。もしかしたら、「やりたいこと」でも「(今は)やれること、できること」でもないけれど、組織のためにチームが「やるべきこと」であるならば「やる!」と決めてメンバーにその覚悟を持たせ、実行すること。それがマネジメントであって、マネジャーの仕事の本質である。場合によっては、マネジャーたる自分が行うことが最も合理的な場合は、敢えて自分がそれを行う。「マネジャー」が部長であっても、たとえ社長であっても同じこと。それが任天堂での教えでした。
研修のねらい・マネジャーの資質と技術
組織とチームの全体最適を見極め、チームのメンバーに覚悟を持たせて行動させるために、マネジャーとしての自分はどう考えどう行動したらいいのか、それをこの研修で学んでいただきます。マネジャーそれぞれの個性が異なるように、マネジメントのスタイルもそれぞれのマネジャーで異なってくるでしょう。それは当然のことです。しかし、どんなマネジャーでも持たなければならない共通項、共通の要素として備えなくてはならない「資質」と「技術(スキル)」があります。それでは、どんな資質や技術が求められるのでしょうか。どうやってそれを身につければいいのでしょうか。この研修では、じっくりと考えていただきます。*1
受講者参加型研修・個性を生かし不安を解消する
研修では、スライドを映写しつつ、ワークノート(受講者用穴埋めテキスト)をお手元に配布して行います。理論だけではなく、豊富な実例も紹介します。受講者とのインタラクティブなやりとりや、講師がファシリテータとなって対話を促進し、ケーススタディや個人ワーク/グループワークなどを行ういわゆる「受講者参加型」研修を想定します。
講師が一方的に「正解」を与えるのではなく、受講者の知識や経験の記憶を呼び起こし深掘りして、受講者それぞれの個性を生かしたマネジメントの実践につなげます。
マネジャーといえども組織の中では「部下」という地位も兼ねています。新任のマネジャーの方々は、新しいポジションでの「立ち位置」に戸惑いを感じることもあるでしょう。研修での対話やグループワークで講師や他の受講者と意見を交換することにより、戸惑いや不安を解消したり、今後の行動のヒントを得ることが期待できます。この研修により、組織の価値を高めるチーム作り、自分たちも働きがいのあるチーム作りを行うことができるようになる、それがこの研修の目的です。
~ カリキュラム ~
以下は標準的なカリキュラムです。ご要望に応じてカスタマイズには対応します。
イントロダクション
・オリエンテーションと講師紹介
・問題提起(問題意識づけ)
・個人ワーク
マネジャー、マネジメントの本質
・全体最適について
・マネジャーに求められること
・マネジャーの役割
人的組織のフレームワーク
・チーム(組織)で働くということ
・マネジャーとプレイヤー、プレイングマネジャー
・リーダーとフォロワー
・管理者と一般社員(職員)
・上司と部下
・評価者と被評価者
・職業人としての成長について
マネジャーに求められる資質
・私心をなくすこと
・全体最適を希求すること
・倫理感(公正さ、公平さ、周囲を尊重し感謝する心)
・リーダーシップと責任感/フォロワーシップと責任感
・その他求められる資質、獲得すべき資質
マネジャーに求められるスキル(技術)
・業務知識と技術(プレイヤーとして)
・メンバーを育成する教育訓練のスキル
・メンバーの納得を得、モチベーションをアップするためのコミュニケーションスキル
・上司や外部に主張や提案をするためのプレゼンテーションスキル
・利害相反する相手との交渉や折衝スキル
・リスク管理スキル(特にハラスメント、ジェンダーや情報セキュリティ対策)
・その他求められる技術、獲得すべき技術
・個別スキルの詳細検討(研修時間によってはオプション)
教育訓練スキル
コミュニケーションスキル
プレゼンテーションスキル
交渉/折衝スキル
リスク管理スキル
まとめと決意表明
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<関連動画>
朽木事務所は、企業や自治体に向けての「楽しくわかりやすい」研修を提供しています。
講師は私、朽木鴻次郎(くちきこうじろう)。
講師紹介
1984年一橋大学法学部卒業後、石油開発会社、総合商社、外資系医療化学品メーカーを経て、04年から京都の任天堂勤務、18年退職し現在に至る。東京都出身、千葉県市川市在住。1960年(昭和35年)生まれ。B型・天秤座。
お問い合わせなどはお気軽にどうぞ!
kuchiki.office@gmail.com
なにとぞよろしくお願いいたします。
朽木鴻次郎
*1:「資質』とは、「持って生まれた性質や才能、能力」と言われます。しかし、マネジャーに求められる『資質』は後天的なものが多い言われます。この研修で詳しく考えていきますが、マネジャーに求められる資質は多様なものだし、例えば、悲観的でありかつ楽天的である、などと正反対ものであったりもします。「器が人を大きくする」ということわざもまた、マネジャーとしての資質が決して先天的、持って生まれたものに限られないことの一つの証明と言えるでしょう。マネジャーに求められる資質とは何か、自分の個性を考えて、どの資質をどうやって向上させるかをこの研修では考えます。